和歌子の後に、私の名前
を呼ぶ、那智。

「サクラ」

二人の声、今の私には
届かない。

那智が、私の後を追ってる事
にも気づかずに
私は、槇の元へ走る。

「マキ
 誕生日は、本当に
 熱だったの?
 
 彼女と過してたんじゃ
 ないの?」

黙り込む、槇・・・

「やっぱり
 
 あの子が好きなの?」

涙が頬を伝う・・・

彼女を見つめて、槇は話す。 

「ごめん・・・あの日
 熱を出したのは嘘じゃない
 
 でも、俺は、お前に
 謝らなきゃいけない
 
 俺は、お前と付き合うこと
 はできない

 ごめんな」

階段の上から、揉めている
二人の姿を、私は見つめる。