姫密桜

無造作に
槇の長い足が開く。

その間に、私は膝をつき
槇の胸板に右手が触れた

ドキドキ

ドキドキ・・・

鳴り止まない鼓動。

槇に聞こえてしまう。

「痛いよ、マキ」

立ち上がろうとした
私の手に、槇が触れて
私を抱き寄せた。

何が起ったのか

分からないけど

槇が、この私を
抱き寄せたのは

真実・・・