類の姿をかばうように、 自分の方へ抱き寄せながら。 類は、ショックで、何が何だかわからないまま、 悟のスーツのボタンを見ていた。 ドアの外へ出る。 悟はポケットを探って、ハンカチを取り出す。 類は、放心状態で、それをじっと見ていた。 悟がそばに来て、唇の下辺りをぬぐってくれる。 すごくそばにいる悟。 類はやっとハッとした。 血を、拭いてくれてるんだ。 「ごめん。大丈夫」 視界の端に、トイレが写って、類は駆け込んだ。