グレーな吐息~せぴあなタメ息③~


手のひらに、血がついている。

それと、

キラキラ光る、透明の小さな塊。

「それ・・・どうしたんだ?」

悟が見たのが分かって、思わず、手を握る。

口の中と、唇も切ったらしい。

隠そうとした、類の唇から、一筋、血が滴った。

悟は、無意識に、類のグラスを取り上げて、

そばのテーブルに置くと、類の背中を押した。