グレーな吐息~せぴあなタメ息③~


「ちゃんと飲んでね」

タケルはひらひらと手を振って、

唇を笑いに歪ませ、みんなの中に消えていく。



類は、催眠術にかかったように、

グラスに口をつけて、あおった。



邪魔な氷の隙間から、

凍るように冷たい水が流れ落ちてくる。


「ごほっ」

武藤に捕まっていた悟が反応した。

咳き込んだ、類に近づく。