グレーな吐息~せぴあなタメ息③~


「その格好で歌ってたら、

ここにいる男連中、みんな類にヤラれちゃってたね」

何気なく、視線をよこしても、

そこに、強烈に意識が込められている。

好意的なことを喋ってるように聞こえても、

本心からの好意は一片もない。


もうダメだ。

一瞬目があっただけでも、

心が震え上がる。


すくんでいると、手を取られた。

びくっとしてしまう。