会場の、ホールへ戻る。


「わ。悟、誰だ、その可愛い子。彼女か?」

振り返った白タキシードが、言った。

武藤だ。

元々テンション高めな人だが、今はもっと上機嫌だ。

漂ってくる、お酒の臭い。

・・・このせいなんだな。

武藤は、類を無遠慮に眺めながら、そばに来る。

笑ってる。

笑いながら、寄って来て、類の両腕を捕まえる。