おお、カーテンがあったのか。 類はバッグを手に、引かれたカーテンを見つめる。 「オレ、部屋の外に出たほうがいい?」 「・・・出なくていい」 類は、バッグの中身を、じゅうたんの床にひっくり返した。 落ち着いた色合いではあるけれど、 赤のミニ丈のワンピース。 「これ、着るの・・・?」 類は躊躇した。 「アサコさんからのプレゼントだって。 初めてのライブのとき、 急にヴォーカル頼まれたんだってね。 その時のお礼だって」