何だか悟と話していると、
淡い幸せが、降ってくる。
淡い、って言うと、薄くて儚そうだけど。
しっかりと、心の底にたまって、蓄積されて。
悟への信頼に変わってく。
いっそ、コレをしっかりと踏みつけて、
一目惚れした事実を底に埋めてしまえたら、
いいのかも。
「それと、男の子、だと思わなくても、可愛いです。
・・・女の子としてはモテない?
彼氏はいないの?」
「モテないし、いないです。
・・・興味もない。
あ、でも、悟さんは大好きですよ」
何だろう、この、狭さがいけないのかな。
勝手に口が軽くなる。
「もう、そこにいてくれるだけで幸せ~っていう。
あ~憧れの悟さんだ~って」
「そうか。そういう風に言われてことはなかったな。
オレは、いればいいだけなのか」
「違う違う。『いてくれるだけでいい』と『いればいい』
とは違うよ。
なんて言えばいいかな。
大好きな超有名人を、そばで見られたら、すごく嬉しいけど、
握手とかしてもらっちゃったら、きっと、気を失っちゃうと思わない?」

