グレーな吐息~せぴあなタメ息③~



何だか悟と話していると、

淡い幸せが、降ってくる。

淡い、って言うと、薄くて儚そうだけど。

しっかりと、心の底にたまって、蓄積されて。

悟への信頼に変わってく。

いっそ、コレをしっかりと踏みつけて、

一目惚れした事実を底に埋めてしまえたら、

いいのかも。

「それと、男の子、だと思わなくても、可愛いです。

・・・女の子としてはモテない?

彼氏はいないの?」

「モテないし、いないです。

・・・興味もない。

あ、でも、悟さんは大好きですよ」


何だろう、この、狭さがいけないのかな。

勝手に口が軽くなる。


「もう、そこにいてくれるだけで幸せ~っていう。

あ~憧れの悟さんだ~って」

「そうか。そういう風に言われてことはなかったな。

オレは、いればいいだけなのか」

「違う違う。『いてくれるだけでいい』と『いればいい』

とは違うよ。

なんて言えばいいかな。

大好きな超有名人を、そばで見られたら、すごく嬉しいけど、

握手とかしてもらっちゃったら、きっと、気を失っちゃうと思わない?」