グレーな吐息~せぴあなタメ息③~

手を合わせて、祈るように言う。

「それは、大丈夫。

類だって、ルシアンのヴォーカルだろ?

知らないかもしれないけど、一回目のライブで、

しっかりファンを獲得してるよ。

オレこそ、この瞬間を見られたら、

類ファンに殴られるかもな」

口元が苦笑に歪んでる。

「そうかな・・・あたし、どうせ見た目、なんでしょう?

『男の子』として見ると、けっこうモテるヒトなんだ」

「え?歌も良かったよ。

元のヴォーカルもかなりかっこ良くて、歌も上手かったから、

類がいくら可愛くても、それだけじゃ納得されないと思うよ。

いろいろと、認められたんだと思うよ」