大粒の雨。 その中に走り出そうとした瞬間、 腕をつかまれた。 一瞬なにが起こったか分からなないまま、振り返る。 と、 そこに冴島がいた。 すらりとした長身を曲げて、あたしを捕まえている。 その顔は、真剣な表情で、 そうすると、余計にかっこよさが引き立つ感じで。