スーパーマン



笹岡町の中でも少し落ち着いた、静かな場所にあるこの店は、確かに見た目だけなら普通の居酒屋だ。


それこそ、雑誌に取り上げられても不思議じゃないくらいの。


外は奥さんの趣味で日本庭園ちっくになっていて、黒く染めた木と漆喰を使った店の外見はお洒落。

店内もカウンターとテーブル席にわかれていて、そんなに席数は多くないし、従業員の子の趣味で洋楽が小さな音でいつも流れている。





………問題は。



「ねっ、早く入ろ?もう開店してるのかなっ?」

「CLOSEって掛かってるだろ?」



本当に、亜実子はどうしてここまで、この店に魅力を感じているのか。


確かにいい雰囲気(見た目だけはね!)の店だけど、これくらいの店なら別にここじゃなくてもいっぱいある。



私はため息をつきながら、CLOSEと書かれたボードを無視して扉を開いた。



―カラン…と鳴ったその音を聞いたら、なんだかいろんなことが蘇ってきて





少し、泣けた。