「おいっ、それ本当か!?」
「間違いないよ…川中さん、ケンカ強いけど…っ、男の力には勝てないでしょう?」
「っ、ありがとな!亜実子、おれ屋上行ってくるわ!」
「托人!?私も…」
「危ないから残ってろ!」
そう言っておれは教室から飛び出した。
クラスメイトの女子が出した名前は、不良で有名な卒業生だった。
さすがの三咲もあいつにはかなわないかもしれない。
「クソ…っ、三咲に手ぇ出したら絶対コロス!」
そうつぶやいておれは屋上へ走った。
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「紹介するわ、川中さん。この学校の卒業生で、私の従兄の浦沢ケンヤ。名前くらいは知ってるんじゃないかしら」
「………」
