うららかな春の日差しが、レースのカーテン越しに差し込む。

線香の香りが漂う和室にぴょこんと頭を覗かせたのは、つぶらな瞳を持つショートカットの少女。

その背後では、色白の少年が口をへの字に結んでいる。


「今度はどんなイタズラしたの?
姉ちゃん」

「イタズラじゃないよ、プレゼントだもん」

「昨日の“蛙”は、ばあちゃんには効果無かったみたいだけど」

「うっ……」

少女はやや太めの眉の間に縦ジワを作る。


『今どき珍しい物捕まえてきたねぇ。
ありがと咲子ちゃん。
せっかくだから、コレは夕飯のおかずにしましょうかね?』


と、蛙の足を摘んで笑った祖母。

驚く顔が見たいのに、いつも返り討ちにあう。


「今回はちょっと違うんだから……」