「昼、絶対来いな。―…奏輔!」

さっきとは違い緊張感みたいなものはなく、軽く念は押されたがさっきのような突っ張った感じは全くなかった。


榊下が華己と話していた奏輔を呼び、そろりと教室を後にした。途中で謙次先生にデカいの2人ー、部活が楽しみだなーとかなんとか言われていた。


ボケーとしていると出席確認がもうすぐ私の番だと気付き、昼の階段にはお弁当を持って行こうかどうしようか悩みながら順番待ちをした。


キーンコーン―…

「―…ってことだからー、よろしくな〜。」

チャイムが鳴り先生が手短に連絡を言うとざわざわと教室は騒がしくなった。

「壱葉〜!」

肩をポンと叩かれ振り向けば見慣れた顔が視界に入った。

「あぁ、華己か。」

「私で悪かったわね」

「いえいえ滅相もない!」

「わざとらしいわよコノヤロー」

「ありゃま」

「にしてもアンタ学校1のモテ男くんと昼食ですか。」


急に話題が変わり反応が少しばかり遅れたものの学校1のモテ男かいあれがなんていつもの調子で言葉を吐き出す。

「てか、バスケ部キャプテン榊下玲を知らないアンタがすごいと思うよ私はさ。」


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