(奏輔視線)


「……そう。」

「だから、俺は玲の力になりてェんだよ」

「奏輔、くん…。」

「奏輔でいいよ」

「あ、うん。奏輔が玲くんを大切に思ってるのは分かるよ?でもそれって2人の問題じゃないかな。」


さっきは動揺して揺らいでいた瞳が今はしっかりとした瞳に変わっていて、俺を真っ直ぐ見つめた。




確かに、そうかもしれない。
今、俺が華己ちゃんに玲のことを話しても、それが何になるのだろうか。壱葉ちゃんと玲の関係に俺が踏み入る資格などないのだ。


「そう、だな…!ありがとう!」


俺が自分の中で納得し、それを導き出してくれた華己ちゃんに笑顔でお礼を言うと華己ちゃんも笑顔でどういたしましてと言った。





「あ、私のことも華己でいいよ。」













…やばい、ストライクです。







友達の心配よりも自分の心臓を心配するのが先だと再び理解した奏輔だった。




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