戻ってきた二人組の姿を見たとき、ぶたさんがはじめに感じた感情は恐怖ではなく、安息でした。 薬でいろいろな部分がぼやけているとはいえ、一人クサリにつながれたままだったぶたさんは、周りに誰もいないという状況そのものが一番の恐怖だったのです。 たとえそれが先ほど自分の右腕を切断した人間だったとしても、孤独に勝る恐怖はないんだと、ぶたさんはうっすら思い浮かべていました。