同時に、ぶたさんは気づいてしまいました。 幸福になってほしいはずの親しい人に対し、自分は見返りをもとめていたということに。 本当にうさぎさんがすきならば、かめさんとの幸せな光景は、むしろよろこばしいと思わなければならないはずだったのです。

 でも、あのときわいてきた感情は、決して祝福しようというものではありませんでした。 あんなすばらしいうさぎさんに対し、見返りを求めてしまっていたなんて。 がんばったごほうびに、自分のこともすきになってほしい、と考えていたなんて。 ぶたさんは自分の中で隠れていた本音に、深く深く絶望していました。