そんな事情から、おせっかいがすきなぶたさんにまわりの人々がすすんで相談を持ちかけることはありませんでした。 誰からも頼られないぶたさんは、それでも自分の目にうつった小さな不幸を幸福に変えるために、できる限りのおてつだいを続けました。

 おてつだいをして、失敗しても、成功しても、まわりの人々はぶたさんのことをこころよく思ってくれません。 それをぶたさんは「自分がぶたさんだから」だと思い込んで、その度に落ち込んでいました。

 でも、不幸を抱いた人が目の前に転がってくれば、幸福にするためのおてつだいをして、たまに成功し、よく失敗し、やはり当人にはよろこばれず、また落ち込んでの繰り返し。 むくわれない人生とは、ぶたさんのためにある言葉なのかもしれません。