恋する乙女


幸一は急に笑い出した。



「プッハハハッ!

 何!?

 心配してくれてんの~!?」


「うぇっ!?

 ・・・べ、別に・・・」



図星だったから、声が思いっきり裏返った。



「大丈夫だって!!

 先に帰ってろよ!

 ナツこそ気をつけて帰れよ!?」


「う、うん!

 また明日ね!!」



あたしが手を振ると、幸一も手を振りながら、学校の方へと走っていった。


それが幸一との最後。


その後、吹雪が吹いてきて、行方不明に・・・。


あの時、あたしがしっかり止めていたら・・・幸一は、今もここにいたのだろうか・・・。