恋する乙女


「そんなはもんなくてもええや~ン!

 行こ、な?」


「でも、あれ見てるとちょっとキュンってなんだよな ~・・・」



みかるがつぶやくように言った。


みかる・・・いつもと違いすぎ・・・。


キュンっなんて言わないでしょ?


それに対し、あたしは



「あたしゃ絶対に行きませんから―!!!!!」



とすごい険しい顔で怒鳴った。



「分かっとるって!

 ほな、みかる行くで~!」



ダダダッと2人で隣のクラスに走っていった。



「ふ~、やっと静かになった・・・」



・・・幸一か・・・。


過去の記憶がどんどん思い浮かぶ。


ドアをチラッと眺めた。



「やっぱあたしも行こ!」



立ち上がり、教室を出た。