恋する乙女


「なんやったけ~?

 ・・・あっ、永田幸一や!!」



へっ!?


幸・・・一?


思わず、跳ね起きた。



「そうそう、永田幸一ゆうてたな~!!」



幸一・・・。


まさかね・・・。


名字違うし。


人違い、人違い。


第一、生きてるかも分かんないのに。


でも、一応見ておいた方がいいと思って、机の上にそれとなく座って集団の中にいる1人の見知らぬ奴を探した。


・・・確かにかっこいい・・・。
(でもやっぱりよく見れば、そこら辺にいそうな顔・・・)と眺めていると、永田と目が合った。


ヤバッ。


永田は表情を変えた。


ジッとこっちを見てくる。


慌てて目をそらす。


あたし、何やってんの?


こんなの、あたしらしくないっ!!