ドライヴ~飴色の写真~

「もちろんですよ」

 私は、篠さんにA4の紙を手渡した。
 それは、轟広道くんの教習生情報をプリントアウトしたものだ。
 そこには、彼の生年月日、本籍、現住所、在学中の学校名、入校日等が記されている。
 もちろん、超個人情報だ。

「おお、すまないな」

「ところで、なんで轟くんなんですか? 確かにちょっとオタクっぽい子ですけど」

 すると、篠さんは10秒程の沈黙を作った。
 おそらく、そのわずかな間に彼の情報を隈なく確認したのだろう。

「……ああ。いや、ちょっと他の女子教習生達の会話を耳にしてな」

「どんな会話ですか」

「轟、超~キモイよね~。いつも足元に携帯あるしさ~。アレで絶対なんか写メ撮ってるって~。マジ超~キモ~イ」

「今、篠さんが一番キモイと思った私は、きっと正常な感覚を持っていますね」

「……学生の頃、体育の授業で真面目にやっているのに先生に『真面目にやれ!』と怒られた過去を今、思い出した」