ドライヴ~飴色の写真~

「そっちじゃねーよ。しかも点数低いな! 合格まで程遠いじゃないですか」
 
「いや、ついつい裏をかき過ぎてしまうんだな」

 破滅的な点数を至って平然と言ってのける篠さんに、自然と溜息が出た。
 だが、そんな私に構わず、彼はまっすぐと前を見据え、呟いた。

「……今日は、原田さんは来ていないようだな」

「はい、そうみたいですね。私も見てません」

 ちなみに十雨くんは今日も来ている。
 前の方の席で、友達と楽しそうに談笑している。
 一緒にいる子は……汽輪太郎(きりんたろう)くんだ。
 十雨くんとは少し違ったタイプで、おとなしく真面目な雰囲気の子だ。
 改めて、彼の社交的な人柄を垣間見れたような気がした。

「ところで、なぎさん。あの男性の名前は?」

 篠さんの視線の先を辿ると、そこには太っていて眼鏡をかけた教習生がいた。その辺りに他に《男性》はおらず、たぶん彼のことだろう、と私は思った。