〈6〉
「はい。じゃあ、お疲れ様でした」
「あ、先生」
この4時間目は、十雨くんの教習を担当していた。
この日初めての坂道発進も、彼は難なくこなしていた。
こういう人はおそらく、持って生まれた《センス》というものがあるのかもしれない。
誰かさんとは大違いですね。
とにかく、教習自体はいつもどおり無事終了したのだが、最後の挨拶の後で、彼に突然呼び止められた。
「うん? どうした」
私は、指で自分の髪をとかしながら聞いた。
すると、十雨くんは先程までとは打って変わった深刻な表情で、言葉を生んだ。
「実は……オレの彼女が、この自車校内で盗撮されたんだ」
「はい。じゃあ、お疲れ様でした」
「あ、先生」
この4時間目は、十雨くんの教習を担当していた。
この日初めての坂道発進も、彼は難なくこなしていた。
こういう人はおそらく、持って生まれた《センス》というものがあるのかもしれない。
誰かさんとは大違いですね。
とにかく、教習自体はいつもどおり無事終了したのだが、最後の挨拶の後で、彼に突然呼び止められた。
「うん? どうした」
私は、指で自分の髪をとかしながら聞いた。
すると、十雨くんは先程までとは打って変わった深刻な表情で、言葉を生んだ。
「実は……オレの彼女が、この自車校内で盗撮されたんだ」

