ドライヴ~飴色の写真~

 そうか。

 変だから、私のことを心配してくれて、それで一緒に住んでくれるんだ。

 普通だったら、ここまでは絶対してくれない。


 図々しいだろうけど、私はここに住ませてもらっている間は、篠さんの家族になろう。

 篠さんが、心細くないように。

 それが、少しでも恩返しになるといい。


 
 その夜、私は、私の部屋で初めて眠った。

 畳の上に敷かれた布団は、固いような、柔かいような、それがまた不思議と寝心地が良かった。

 たぶん、隣の篠さんの部屋には、私のイビキや寝言が聞こえただろう。


 篠さんの部屋からは、イビキも寝言も、何も、聞こえなかった。