ドライヴ~飴色の写真~

「それは偏見だぞ、なぎさん。オレだってしょっちゅう買い物に行っているわけじゃない。たまに行くといろんな発見があって、新鮮な気持ちになるだろう。だから、ついついはしゃいじゃうのは仕方がないと思わないか」

「……それを止める人の身にもなってみてくださいよ。主婦のアイディア商品に心踊らされやがって」

 三つの大きなレジ袋の中には、野菜や肉、魚などの食品の他、まな板、包丁、食器、シャンプー、コンディショナー、泡立てネット、卵剥き器などがこれでもかと詰まっている。

 きっと途中から購入すべきボーダーラインを超えているのだが、私も最後の方には説得するのに疲れてしまい、別にもういいや、欲しいなら買えばいいじゃん、という感じで至った結果である。

 ふう。


「とにかく、なぎさん。早く、卵焼きと焼きそばと冷奴と焼き鮭を作ってくれないか」

 
 うるさい、ちょっと黙れ。