〈3〉
その後、私からそれ以上の情報を得られないと判断したらしい篠さんは、おもむろに切り出した。
「よし、なぎさん。じゃあ、そろそろスーパーでも行こうか」
「なんで、ちょっとウキウキしてるんですか」
「ちょっと着替えてくる」
「いい、いい! そのままで」
なぜか、ソワソワした様子で寝室に向かおうとした篠さんを止める。
「……ここから一番近いスーパーは《ささき》ですか」
「ああ、そうだが」
「じゃあ、そこで……いやいや、だめだ!」
私は、突然思いだした。
弥生が時々、スーパーささきのビニール袋を持って会社に来るのを。
弥生の家は、スーパーささきを挟んで、この事務所の反対側の地域にあるので、ここから特別近い場所にあるわけではない。
だが、スーパーささきで弥生と遭遇する確率は決して低くはなく、篠さんと一緒に買い物をしている場面なんて見られた日にゃあ、もう、想像しただけで背筋が凍るようだ。
その後、私からそれ以上の情報を得られないと判断したらしい篠さんは、おもむろに切り出した。
「よし、なぎさん。じゃあ、そろそろスーパーでも行こうか」
「なんで、ちょっとウキウキしてるんですか」
「ちょっと着替えてくる」
「いい、いい! そのままで」
なぜか、ソワソワした様子で寝室に向かおうとした篠さんを止める。
「……ここから一番近いスーパーは《ささき》ですか」
「ああ、そうだが」
「じゃあ、そこで……いやいや、だめだ!」
私は、突然思いだした。
弥生が時々、スーパーささきのビニール袋を持って会社に来るのを。
弥生の家は、スーパーささきを挟んで、この事務所の反対側の地域にあるので、ここから特別近い場所にあるわけではない。
だが、スーパーささきで弥生と遭遇する確率は決して低くはなく、篠さんと一緒に買い物をしている場面なんて見られた日にゃあ、もう、想像しただけで背筋が凍るようだ。

