ドライヴ~飴色の写真~

「さて、これからどうしますか?」

「そうだな。少し、整理と推理をしてみよう」

「えっ、今の段階で出来るんですか」

 私が驚くと、篠さんは腕を組んだ。

 ふと、彼のどんぶりを見ると、汁まで綺麗に飲みほしている。
 いつのまに。

「……まあ。それはなぎさん次第だけどな」

 私次第?

 おそらく、私の頭の上にクエスチョンマークでも浮かんでいたんだろう。
 篠さんが、気を取り直すように、ソファの上で腰の位置をずらした。

「初心に戻るつもりで聞いてみるが。なぎさん、犯人に心当たりはあるか?」

「ないです」

 即答だ。
 だって、そんなの。
 ないものはない。