ドライヴ~飴色の写真~

「ねえ、篠さん。あとで食料品買いに行きませんか。私ももちろんお金出しますから」

 実にシンプルな醤油ラーメンをすすりながら、私は言った。


「材料があってもなあ。オレ、料理出来ないし」

 篠さんが、横目でチラチラと見てくる。


「わかってますってば。私が作りますから」

「……なぎさん、本当に料理出来るのか」


 何。本当にって。


「出来ますよ、一応。普段ちゃんと自炊してますし」

「役に立つなぎさんって、何かなぎさんって感じじゃないな」


 今、ここで篠さんを殴れる立場と権利が欲しい。