ドライヴ~飴色の写真~

 もともと、空き部屋だった上に、時々篠さんが掃除をしていたらしく、30分もしないうちに部屋は綺麗になった。

 私達は、お昼御飯を食べながら作戦会議をすることになった。

 うむ。仕方あるまい。
 ここはお世話になっているお礼として、私が貴重な手料理を振る舞おうじゃないか。

 私は冷蔵庫を開けた。

「……あの、篠さん。冷蔵庫に水と卵しか入ってないんですけど」

「あ、納豆切れてるの忘れてた」

「それ、そんな重要ですか? 納豆にはちょいと身が重すぎやしませんか」

 とりあえず、インスタントラーメンはあったので、それを二人分作った。
 せっかくなので、卵をのせる。

 ネ ギ が 欲 し い。


「お。すまないな、なぎさん」

 事務所のテーブルの上に置いたラーメンを見て、篠さんがちょっと嬉しそうに言った。

 この人、淋しい生活してるな。しみじみ。