ドライヴ~飴色の写真~

 玄関の扉を開け、まず篠さんの目に入っただろう散乱された靴達。
 飛び越えるか、散らばっている靴を踏むか、基本二択しかない。

「……踏むぞ」

「いや、飛び越えてください。なるべく足音を響かせないように」

 篠さんが、なかなか上手に膝を使って音を立てないように飛び越えてくれた後を、私が散らばった靴を踏んで玄関に上がる。

「……言いたいことも言えないこんな世の中なんだな」

「ポイズンしてなくていいから、見るならさっさと見てください」

 私は、なぜか切なそうな表情をしている篠さんに、そう言い放った。

 玄関を入ってすぐに右を曲がると、10畳の部屋がある。部屋はその一部屋しかない。
 あとは洗面所、トイレ、風呂場が玄関の左横にあるぐらいだ。

 部屋の入り口から見て右側にキッチンスペースがあり、その他のスペースはベッド、テーブル、テレビ台などが上手い具合に占領している。

 そう、私の部屋には上手いこと隙間がないのだ。

「……なぎさん、なんか服とかで足の踏み場がないんだが」

 この人、うるさい。