ドライヴ~飴色の写真~

   〈6〉

 あの後、しょんぼりと受付カウンターに座って、オートマ切り替えの手続きを受けている篠さんを見て、若干かわいそうな気持ちになった。

 篠さんは弥生の説明を、一つ一つ噛みしめるように聞いていた。

 なんだかんだ言って、篠敬太郎探偵事務所の経営状態はあまり芳しくないのだろうか。

 失礼ながら、そんなことも考えてしまった。



 仕事を終えた私は、本日のそんな出来事を思い出しながら、自分のアパートの前まで辿り着いた。

 鍵を開けようと、バッグの中を探る。
 手探りでその中身をかきまわしながら、私は郵便受けへと目を移した。

 白いA4程の大きさの封筒が、苦しそうに身をねじ込んでいる。

 ……あれ、私、なんかカタログとか頼んでたっけ。
 
 探し出した鍵でドアを開け、中へ入ると、内側からその白封筒を引っこ抜いた。