ドライヴ~飴色の写真~

 ちなみに、この失礼な教習生は《十雨良人(とうめよしひと)》くん。
 たしか大学一年生とか言っていた。

「先生も年頃なんだから、もう少しいろいろ気にした方がいいよ」

 十雨くんが、茶色の少し長めの髪を揺らし、愛嬌のある顔で笑った。

 むむむ。
 おそらくモテちゃったりしてるんでしょうね、この人は。

 宿敵《愛嬌》め。


「いいんだよ、私は。別にモテたいとか思ってないし」

「いやいや。そういう問題じゃなくて。だって先生、どうせ生まれてこの方彼氏いたことないんじゃない?」


 グワーーーン!!

 頭の中で、鐘の鳴る音が重く響いた。

 ……なんでバレてるんだ。