ドライヴ~飴色の写真~

 素人が仰け反って驚く様子を見て、汽輪くんは余裕の笑顔を見せた。

「カメラで15万はまだ安い方ですよ。20万、30万はザラです」

「ほう…」

 完全に言葉を失ってしまっていた。

 汽輪くんレベルともなると、写真へのこだわりは半端ないだろう。
 だからこそ、その写真を生み出すカメラにもこだわるのだ。

 ここで、私は思い出す。

 あの写真から、まだわかることがあるのではないか。

 それは、私が追求している目的への手掛かり。

 かと言って、汽輪くんにその手掛かりを見せてしまうのは、軽率だとも思った。

 私なりに考えて、
「あとで、汽輪くんの作品、見せてもらえる?」
と、聞いた。

「田中さん、写真に興味あるんですね。いいですよ」

 彼も、悪い気はしなかったみたいで、嬉しそうに答えた。