「…やっぱりね…」

淳さんが全て見透かしたかの様な目付きで、あたしを見て鼻で笑いながら話し出す。

智が手を繋いだままあたしの前に立った。

「つけてたんか?」

「…気付いてたん…?」

「…いや…」

2人のやりとりが始まる。

内容によると、仕事帰りの智を淳さんが後を付けて来た様だ。

「…何がしたいねん…?」

低い智の声。かなり怒ってる時の口調になる。

「最近付き合い悪いし、店出る曜日が決まってるからずっと気になっててん。…予感的中やな…。」

「…アホらしい…帰るわ…」

智が手を引っ張る。

「あたしの気持ち知ってるクセに…!!今までアンタにいくら使ったと思ってるん!?」

「…俺は頼んだ覚えは無い。10年以上、夜の世界おったらだいたい解るやろ…」

オートロックの鍵を開けてマンションに入る。

エレベーターに乗り込む。

ドアが閉まる頃に淳さんが叫んでた。

「絶対許さんから!!」

…今まで必死に隠して来たのは何やったんやろ…。

これから…あたし達どうなるん?