そんな、ということは………担任が来ないのではなく僕らが始業式に行かないだけであって、担任はちゃんと体育館にいて、僕らは婆抜きをしている間に…………
「………どうしよう」
「どうすることも………できない」
「か、帰るぞ……」
(((コクリッ)))
「は、早く、早く帰ろう………」
ガララッ、と木製の扉があいた、それは翔が開けたわけでも、白ちゃんが開けたわけでも、八代目が開けたわけでもない、もちろん僕も、だとしたら……いったい誰が………
「…………!」
「…………?」
「……ぁ…?」
「……………」
「あれっ?みんなどうしたの?なんで帰ろうとしてるのかな?今は始業式のはずだけど…」
「えっと……君誰?」
「あれっ?先生に紹介されなかった?じゃあ、自己紹介するね?僕の名前は寿輝-コトブキアキラ-って言うんだ、君は?」
「えっと-………ぼく?」
「うん、君」
「僕の名前は輝寿だよ」
「輝………寿?」
「うん、輝く、寿、でカガヤヒサシって言うんだ」
「へぇ、僕達って漢字だけなら上から読んでも下から読んでもおなじだね」
「えっ……輝-カガヤ-と輝-アキラ-………寿-ヒサシ-と寿-コトブキ-」



