きみのこと
嫌いなわけぢゃ
ないんだよ.



なのにね


泣いてほしいって

涙で顔が
ぐしゃってなって

声が枯れてしまうくらい

泣けよって

すがりつけよって


そう思うんだよ.



最低だよね.

歪んでるよね.



でもきみは


いつも笑顔で

俯かずに

前を向いて
ばかりいるから.



泣かせたくも
なるじゃない.


完全な人間なんて
いるはずないんだから.


無理してないわけ
ないじゃない.

大丈夫なわけ
ないじゃない.



ぼろぼろになりながら
「大丈夫だよ」って
笑うきみを見て

僕が何度泣きそうに
なったことか.



だから 頼むよ.

どうか泣いておくれ.



わんわんと声をあげて

完璧な化粧を崩して

黒い涙を流して

すがりついておくれよ.





(それで最後にとびきりの笑顔を見せつけておくれ!)