『帰らないのなら、おれは街のど真ん中で………』


『お前を抱くだけだ』



ゾクッと背筋にムシズが走った。今まで以上に冷たい目で見てくるフユ。


…本気だ。

でもここで引き下がるわけにもいかない。どうしたら‥



『頼む‥から、…帰れっ』

「え?」


『おれはもう…お前を………』



フユの呼吸がだんだんと荒くなってゆく。‥何が起こっているのかわからなかった。

ドサッと倒れ、あたしの目の前で動かなくなったフユ。




あたしはどうすればいいのかわからなくなった。