「すいません遅れちゃって。ここいいっすか?」
長身の男二人は、上着を脱いであたしの横に腰を下ろした。
スペースを確保するために急いで横に寄る。
「あ、ありがとう。桜庭、お前何頼む?」
『おれ、生』
サングラスをかけた無愛想な男が店員にボソッと注文した。
もう一人も「同じく」と言いながらあたしの方をチラチラ見ている。
「あの~あたしの顔、なんかついてますかあ?」
「いや、別にっ!ただ、よく飲むなーって思っただけですよ」
あたしの前に置かれた空のコップを見て苦笑いする男。
酔ったあたしは、いつのまにかその男に思い出話をしていた。


