『待てよアキっ…!アキっ!』 このままじゃいけない。アキが…行ってしまう。 そう思うと、とっさにアキの名前を呼んでいた。 「しつこいんだよ、桜庭。 スキな女も守れないなんて最低だな。言っただろ、オレも本気だって」 葛城に何を言われても、何度も何度も呼び続けていた。 遠くに見えなくなっても… 周りに変な目で見られても… ひたすらアキの名前を呼んだ。