「何っ?おかしい?」 「いえっ…くくくっ、あはははは」 声を上げて笑うと周りの視線がいっきにこっちに集まった。慌てて口を抑える。 「やっと笑ったね、アキちゃん」 「え?」 「昨日の飲み屋から、ずっと苦しそうな顔してたから」 フユのことばかり考えてて こんなに笑うことなんてなかった。 いつもいつも考えるのは、フユのことばかりで…。 「アキちゃんが五年間待ってるのって、桜庭のことだよね…」 頬杖をついた状態で、コーヒーを飲みながら聞いてきた。 五年間待ってるってなんで知って…