そのまま、大学を出てどっかに行ってしまった。


…フユはあたしの知ってる
昔のフユじゃな‥、い。

あたしの大好きなフユじゃない…。



いつも無愛想だけど


たまに見せる「優しい笑顔」


それを…失ったんだ。



でも、ユカを責めるわけにもいかない。

ユカにはフユのこと言ってないし、


知らなくて当たり前だもん…。

…ヤバい、泣けてく‥、る



ポタッ、ポタッと涙が零れてくる。

昨日あたしがフユをもっと早く気づいていたらこんなことに…、はっ!


「…あのっ、大丈夫ですか?」



ぼやけた目で前を向くと、そこにはハンカチを差し出す男性が一人、立っていた。