どんどん‥どんどん涙が零れ落ちる。

「ふ‥ゆが、わ、るい…んだ、から」


『ああ』

「ス…キな、の」


『おれも、だ』



ギュッとフユの中に吸い込まれる。

こんなに安心できる場所…


あたしにはもったいないくらい。




もう…離したくないっ‥


その思いを突然、一本の電話が断ち切った。フユはあたしから離れて電話をとる。



『もしもし。‥ああ、わかった。今すぐ行くよ』


フユの表情を見てすぐにわかった。



お父さんからの電話だった、と。