「もういいっ!帰る!」

フユに背を向けてスーツに着替えるためにバスルームへ向かった。


久しぶりに会ったのに、いきなりあれはないじゃん…か。

あたしがどれだけ待った……か。


‥そりゃあ勝手にあたしが
待ってたんだけど



ただいまの一つ言ってくれたって…。


ぶつくさ考えていると、肩からフユの手の温もりが伝わってきた。



『おれが居なくなって寂しかった?』

「‥別に~っ!」


『寂しかったでしょ?』

「寂しくない!」



『ごめん、アキ』


急にフユが謝るもんだから

あたしの涙腺は壊された。