でもそれは限りなく無理に等しい。
おれはアキに気づいたけど、アキはおれに気づいてない…。
まあ、スーツのサングラスだし
わからなくて当たり前か。
すると突然、アキが席を立った。
どうやら化粧を直すらしい。
「なあ桜庭~あの子アキちゃんて言うんだってさ」
『ああ』
「…あの子に惚れたかも」
『………は?』
一瞬、耳を疑った。
こいつ…何言って‥
「ねえどうしよ、桜庭。この後、アキちゃんお持ち帰りしてもいいかな」
『は?…今日はおれが送ってくから。じゃあな』
葛城の話を最後まで聞かずにおれはアキを探しにいった。
化粧直すの遅すぎねえか…?


