何も喋らないおれを不思議がっているようで、さっきから顔の前で手をブンブン振っている。


『…なんだよ』

「いや、相変わらず面白いヤツだなと思ってさ~!」


おれがいくら冷たく接しても、適当な理由をつけてまたついてくる。

…ほんと不思議なやつだ。



「なあ~行こうよ、合コン!」


『断るっ。行く意味がない』

「まあまあ怒んなって!つかもうそこの店だし。今日だけ‥ね?お願い」



そう言われ、無理矢理連れていかれた。


またこいつ…はっ、人の話聞かねえで勝手に連れていきやがって‥。



こうなると手をつけられないと知ったおれは、しぶしぶ店に入った。