葛城さんに電話をして、近くの公園で待ち合わせをすることにした。 急な約束なのに、ちゃんと先に行って待っててくれた葛城さん。…心が痛んだ。 「アキちゃんから連絡貰えるなんて、嬉しいよ」 「葛城さん…ごめんなさいっ‥。あたしはやっぱり‥「冬樹かい?」 「え?」 葛城さんに言葉を遮られる。 「冬樹を選ぶの?あんなに泣いて…あんなに苦しんで…何もない冬樹を」 葛城さんの"何もない"は、きっと地位や金を表してる。でもあたしにはそんなもの‥必要ない。 「冬樹が大好きだから。それだけ」