『どうした?こんなとこに呼び出して』 桜が咲き始めたある日、あたしは桜の木の下にフユを呼び出した。 あの日の朝、起きると横にフユの姿が見えなくて寂しさと不安に襲われた。 五年前みたいに居なくなったらどうしよう…ってずっと考えてた。 すぐ帰ってきてくれたけど。 あの日以来、フユは一人暮らしをしながら仕事をしている。たまにお互いの家を行き来してるけど。 「ちょっと話があって」 『おれも話があったからちょうどいいや』