---朝。

横で眠るアキを置いて、桜庭家に向かった。


オヤジと、最初で最後にきちんと話し合いをするために。



『冬樹です。社長にお話が』と言うと、松下が開けてくれた。


「…冬樹様!?その髪はっ?」

『染めたんだ。‥オヤジは?』


「いつもの書斎です」



松下に連れられて、オヤジの書斎に向かう。ノックをすると「どうぞ」と許可が降りた。


『…失礼します』

「何か用か?」



目を合わさず、冷たく言い放たれる。


『話があります』

「そんな髪をしたやつとは、話す必要などない。‥出ていけ」